就職活動

面 接

面接の際に大切なことは、与えられた時間で自分の考えや思いを明確に伝え、社風や業務とのマッチングを検討する面接官に判断材料を与えることです。同時に、あなた自身が組織の雰囲気や社員(面接官)の人柄を感じ・判断する場でもあります。面接選考の「通過(合格)」「落選(不合格)」はあなたの人柄や価値観についてではなく、組織や業務とのマッチングについての評価です。落選の通知を受けても必要以上に落ち込む必要はありません。「他にあなたにもっとマッチする企業がありますよ」というメッセージだと受け取り、前向きに就職活動に取り組んでください。ただし、それは自分自身や企業についてしっかり探究できていることが前提です。自分自身や企業への理解がないまま数多の面接に臨んだところで、望む結果は得られません。

集団面接

複数の応募者が同時に面接を受けるもので、選考の初期に行われることが多い形式です。多くの応募者を集団面接である程度の人数に絞り込み、絞り込んだ応募者に個人面接でじっくりと話を聞く、というのが一般的な面接選考のフローです。集団面接で「5人で30分程度」と言われたとすると、一人あたりの時間は6分しかありません。「たった6分間で自分の何が理解できるのか?」と不審に思う人もいるでしょうが、面接官は「限られた時間であなた自分自身について、また、あなたと当社のマッチングについて教えてください」とリクエストしているのです。限られたわずかな時間で自分を伝えるなら、どんなことを、どんな風に話すのがもっとも効果的かをしっかり考え、準備して臨んでください。面接官はできるだけ応募者を理解したいと思っています。あなたも面接官に自分のことを理解して欲しいと思っていれば、円滑なコミュニケーションが成立するはずです。「面接される」「落とされる」という受け身の気持ちでなく、「マッチングをはかる対等な存在」として、面接官とのやりとりを楽しんでください。とはいうものの、落選の原因が自己分析・企業研究不足や準備不足であることもあります。面接を経験したら、その都度、質問内容と自分の回答を振り返り、自分が伝えたいことが伝わったかどうかを検証してください。振り返りには、すでに就職活動を終えた先輩からのアドバイスやキャリアサポートセンターの就職相談室がおすすめです。

個人(1対1)面接

形式が変わるだけで、臨むべき姿勢は集団面接と同じです。エントリーシートの項目でも書きましたが、採用側が知りたいのは

  • 人 物
  • 能 力
  • 志望動機

の3点です。エントリーシートでは文章が評価の対象になりますが、面接の際は、対面でのコミュニケーションが評価されます。面接の準備として、エントリーシートに記載した内容を暗記し、その通りに答えられるように練習する人もいますが、面接官は既にエントリーシートを読んでいるわけですから、同じことだけを伝えても意味がありません。面接では「言いたいことを言う」のではなく、「相手の質問(知りたいと思っていること)に答える」姿勢が大切です。何度も繰り返しますが、面接官が知りたいのは「あなたはどんな人で」「どうして当社を希望するのか」です。時折、「面接官が聞いてくれなかったから、用意していた回答が答えられなかった(だから落ちたに違いない)」という反省を耳にします。「聞いてくれたら答えよう」という受け身の姿勢ではなく、あなたがどんな人で、どうしてその組織を志望するのか、を過不足なく、明確に答えられる準備をしましょう。あなたにとって「意味がない」と感じる質問も、あなたを知るための質問であることがほとんどです。「面接官が理解できるとは思えない」「面接官が聞いてくれなかったから」「面接官が意味のない質問をしたから」等、過度な他責や消極的な気持ちは円滑なコミュニケーションを阻害します。面接は「お互いにマッチングをはかる場」ということを忘れず、できるだけ前向きで積極的な気持ちで臨みましょう。
面接の最後に「最後になりますが、何か質問はありますか?」とか「最後に何か言っておきたいことはありますか?」と聞かれることもあります。本当に何もなければ、「ありません」で良いのですが、この質問をする面接官は「分からないと感じていることがあれば、説明してあげたい」「面接で質問したこと以外にも何か言いたいことがあったのかもしれない」等、あなたへの理解を深めようとして質問していることがほとんどです。業界や組織・業務内容についてもっと知りたいと思っていること、今日の面接の感想、面接官への逆インタビュー等、なんでも構いません。時間の許す限り、面接官とコミュニケーションを取りましょう。相互理解に向かう姿勢は職業人としてだけでなく社会人としてのあなたに必要な能力です。

グループディスカッション(GD)

グループディスカッションで着目されているポイントはチームや集団の中でどういうふるまいをする人なのか?という点です。発言が多いから良いとかリーダー役を務めたから良いという単純なものではありません。チームで仕事を行う場合、「提言する」「意見を求める」「意見を聞く」「実証・反証する」「分析する」「評価する」「要約する」等のさまざまなプロセスがあります。こういったプロセスをどのように遂行し、その中でどのような役割を果たす人なのかという側面を見ているのがグループディスカッションです。自分が果たすべき役割は、その場の集団によって変わってくるのが普通です。その時のメンバーの特性を的確に把握し、自分の役割を果たすという柔軟性・機敏性が必要です。グループディスカッションでは与えられた討議テーマの正解を求められているわけではありません。大事なのはプロセスなのです。